出張とハンディ機

０１７、出張とハンディ機　

２００３年　７月１２日

今回の出張はこんな場所・・・会場で配られた袋のキャラクターです。
その地方が誇る歴史の偉人と名産品！

無線局を開局して３年。なぜか今までラグチューとは比較的無縁の生活を送ってきています。無線機に向かえば、シグナルリポートの交換とＱＳＬカード交換の約束。そうして、１局１局と「数」、「市町村」そしてわずかながらの「エンティティ」を積み上げていくのに熱心で、あまり、日頃おしゃべりに興じることがありませんでした。唯一例外はＹ先生との無線のおしゃべりですが、これも、インターネットに移行してからはほとんど行っていません。

ところが、今回、ひょんなことから、ひさしぶりにラグチューをすることになり、その効用を改めて感じることが出来たのでちょっとご紹介を・・・。

３級受験記にＭ君ご夫妻が登場します。そこにもちょっとだけ書いたのですが、実はＮＱＸは昔、英語教師をしておりました。そのころ、教えていた学校で非常に優秀な学生さんがいました。それがＭ君です。その後、彼はトップクラスで学校を卒業し、電波関係のある大手の組織に技術の専門家として就職します。

実はその後、ＮＱＸも転職し、職種は違うもののなんとＭ君と同じ組織に就職します。というわけで、かつての師弟が、今度は職場の先輩後輩という風に立場も逆転してしまったのです。おもしろく、また不思議なこともあるものです。というわけで、その後、何度も家に遊びに来てくれたりして、親しくおつきあいをしてきました。その後、彼は東京近県に人事異動で引っ越しますが、東京帰省の折にはよく遊びに来てくれたりもしています。

で、実は、７月、ＮＱＸはそのＭ君のいる県に仕事で出張することになりました。しかもそこで行われる仕事の中身は、ＮＱＸがあるイベントの進行をし、Ｍ君がその最終出口（って、ちょっとぼかした言い方ですみませんネ）での監視役を負うというわけで、なんとかつての師弟協演という事になってしまったのです。こんなこともあるんですネ。とはいえ、お互いの持ち場は別々の数キロ離れた場所なので、一緒にいるわけではありません。

出張の初日、Ｍ君とは夜２ｍのメインチャンネルをつけっぱなしにしておいて、都合のいいときに呼び出すとの手はずになっています。２２時過ぎに仕事がおわり、もう２３時をまわった頃、やっとホテルに帰り着きます。シャワーをあびて、すぐに無線機のスイッチを入れてみます。メインチャンネルをしばらくワッチしますが、いたって静か。地方都市ではどこでもこういうものでしょう。幸いホテルはチェックインのときに、ちゃんと上層階で、しかもＭ君の自宅方面に向いた部屋をリクエストしておいたので、ほぼ理想的な状況。

しばらくして、呼びかけてみるとすぐに答えがありました！しばし天気の話など、世間話をします。慣れない土地での慣れない出張。あっという間に緊張がほぐれてくるのがわかります。おまけに、土地柄や人びとの気風など、なかなかちょっと街を歩いただけではわからないような情報も教えてくれます。きっと電話で話しても良いのでしょうが、無線機を通しているとなんだか、より親しみを感じてしまい、なんだか話も盛り上がります。ああ、無線をやって良かったと思える瞬間です。

明日もまた夜に話をするということを決めてファイナルを送ります。会話を終えたときにはもう日付は変わっていましたが、仕事の疲れが軽減したように思いました。

翌日は朝から市内のあちらこちらをまわり、そして、夜はイベントのリハーサルと、くたくたになりながら、２３時過ぎ、やっとまた部屋に戻ります。シャワーをあびて、メインチャンネルで彼を呼び出します。今日もすぐに出てくれます。ひどく暑い夜でした。彼は風呂からあがって上半身裸で扇風機にあたりながらくつろいでいるということでした。こちらは味気ないわびしいビジネスホテルの狭い部屋に座ってハンドマイクを握っているのですが、彼の家族のことも想像して、なんとなく、家庭の暖かみを感じてしまいます。この日は明日のイベントの話も少ししながら、誰がどういう分担で仕事をしているというような話を聞き、こちらも、心の準備ができました。もしかしたら、この日、M君の元上司で無線の大先輩（実はこのサイトのリンク集にリンクを張らせて頂いている６ｍ専門の凄いOMさんです！）も会話に加わって頂けるかもしれないと言うことで、やや緊張しながらも、楽しみにしていました。２人だけでなく、３人、４人と会話ができるのも、無線の楽しみですよネ。残念ながら、この日、残念ながらOMさんの参加はありませんでしたが、また日付が変わるまでM君と話して、その後仕事の準備をして眠りに就きました。

さて、翌日、無事に仕事が終わります。その後はスタッフで打ち上げをし、解散。

さっそく、M君の家に。無線家の奥様とすでにモールスを覚え始めているという噂のある２才の息子さんと御対面！彼のシャックも見せてもらい、大満足の出張最終日でした。こんな出張なら何度あってもいいなと思いながら・・・。

ハンディ機一台が、本来ならば味気ないはずの出張に与えてくれたものは思いのほか大きなものでした・・・。そして、人の縁の不思議さにもちょっぴり思いをはせる出張でした。

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